「シンプルプラン」という映画を観ました。偶然大金を拾ったことによって、人生を狂わされていく話です。最後は破滅的な終わり方なので、救いがなく後味も良くないんです…。なんという空しいストーリー(ToT)‼
ジェイコブとハンク(兄弟)は、雪の中で墜落した飛行機の中から大金を見つける。始めはジェイコブの方がお金を盗む気でした。ところが、勤勉で真面目なハンクが止めるのかと思いきや、妻にそそのかされてどんどん金の亡者になっていくのです…この妻というのが恐ろしく、最初は「警察に届けるべきよ‼」と言っていたのに、札束を見たとたん守銭奴のようになって、悪知恵を考えては夫に実行させる(;゜Д゜)‼妻がいちばん怖い…
不思議なのは、ハンクが彼女の指示に諾諾と従っていることです。疑われた時のために、友達に罪を着せる作戦を考えたりするのです。しかも赤ちゃんを抱っこしながらそんなことを言う…。
でも、ハンク、「うちの嫁はこんなにモラルのない女だったのか!」ってなんで驚かないんだろう?「彼女は慎ましい暮らしに満足していたのに、あれは嘘だったの⁉」って。しまいには「このお金がなかったら私達の生活はどうなるのよっ‼」って……(;゜Д゜)元々無かったお金なのに…というか人様のお金なのに。
舞台になっていた雪深い田舎町は、寒々とした暗い色調で撮影されています。鉛色の空。枯れ木の枝に、不気味にとまる黒いカラスが時折映って、暗い未来を暗示しているよう……
ここは、テレビに映る寂れた町のように、経済に置いてきぼりにされた場所という感じ。日本でもそうだけど、田舎は仕事もない所が多いから、いつかここから抜け出したいという鬱々とした思いがあったのかもしれません。でも貧乏だからそうなってしまったの?…と考えるとやるせないです。
お兄さんのジェイコブは、仕事も家庭もないという設定で、知的にもちょっとダメな人として描かれています。でも最後、彼が罪の意識にさいなまれているのはとても切なかったです。貧乏だからお金に惑わされたけど良心は残っていたんだ…。元から悪い人ではなかったし「父さんの農場を継いで家族を持ちたいんだ」とささやかな幸福を願っていただけなので、最後はかわいそうでした。この映画でいちばん存在感がありました。
お金は魔物というけれど、自分が同じ立場になったらどうなるんだろうと考えてしまった。ちなみに宝くじで高額当選を経験すると、支持政党が保守系に変わる人が多いとか…知らないけど(?)やはりお金には人を変えてしまう力があるのかな?
「ほとぼりの冷めた頃、この大金を持って街を出よう」というシンプルなプランは上手くいきませんでした。最後どうなったか……⁉暗い映画ですがよかったら見てみて下さい(゚-゚)